<”ちび”の部屋> 昭和55年(1980年)12月、日野市に自宅を購入した時、何故か<子犬>が ついていた。 5〜6匹いた中で一番小さく、なかなかお母さんおっぱいにありつけず、いつも 一番うしろの方でもたもたしていた子を選んだ。 それが”ちび”だった 。
|
”ちび”はみるみる大きくなり、そろそろ犬小屋がちいさくなり始めた頃のこと。 ”ちび”が小屋のなかでくつろいでいると、それと気づかずに庭に侵入してきた野良 猫が、”ちび”の小屋の前をゆうゆうと通り過ぎようとするのを見て、「我が家の庭に 入ってきたばかりか、私の目の前をゆうゆうと横切るとは何事だ!! 言語道断、そこへなおれっ!」 とばかり、脱兎のごとく小屋を飛び出そうとした。 ところが、小屋の出入口が思ったより小さ目だったため、出入口で思いっきりガーン と頭をぶっつけてしまった。 その夜のこと、 余程頭にきたのか、「うーっ!」とすごい唸り声をあげながら、犬小屋を無残にかみ 砕き、二度と使えないようにしてしまった。 その翌日から、彼女は「座敷犬」に昇格し、長寿の道を歩き始めることとなった。 |
<ちびに赤ちゃんが生まれた>
<大雪>
<お散歩>
|
”ちび”は確かに<霊>を見た!! 平成元年(1989年)8月、母が亡くなった。 その翌年、初盆ということで、自宅の前で<迎え火>を焚いた。 その時、まだ幼かった3人の子供たちに、 「これで”ちび”の様子が少しでも変わったら、きっとおばあちゃんの霊がこの家にきてるん だよ」と冗談を言いながら、火の始末をして家の中にはいると、・・・・・ ”ちび”の姿が見当たらない・・・・・? いつもは、一階の和室に”ちび”専用の座布団を置いてもらって、そこで寛いでいるのだが。 そこにはいないし、一階のどこを探してもいない。 念んのため二階に上がってみると、ひとみ(次女)の部屋のベッドの上にいた。 その目が異様に怯えている。 普段、二階へは滅多に上がらないばかりか、ひとみの部屋、ましてやベッドの上など、叱ら れるのが分かっているので絶対に入ったり上がったりはしない。 それがどうしたことか、今はそのベッドの上で、何かに怯えたように小さくなっている。 「何やってんのよ!! そこはあんたの場所じゃないでしょ!!」 案の定、ひとみに叱られて、一階のいつもの指定席に連れ戻された。 そして、家族皆んなで夕食をとり始めて、ふと気が付くと、また”ちび”の姿が見当たら ない。 またまた、二階のひとみの部屋のベッドので上、怯えた目をして小さくなっている。 「あんたの場所はここでしょっ!!」 と、再びひとみに一階の所定の場所に戻されるが、どうしてもその場所に座ろうとはし ない。 この時、家族の全員が、 <母の霊が我が家に戻っている>と実感した。 そして、私は何とかその母親の霊を撮ろうと、カメラで部屋中を撮りまくったが、まったく 映っていなかった。(やはりデジカメではなく、フィルムのカメラでないとダメか?) その日から、その状態がしばらく続いたが、一週間経って、今度は<送り火>を焚いて、 家の中に入ってみると、何んと、今度は”ちび”がいつもの所定の場所で安心したような 顔つきで寛いで座っているではないか!! この一週間、”ちび”はずーっと<母の霊>を見ていたのだろうと、我が家の5人全員 は、今でもそう思っている。 |